脱気全般
脱気処理は昔からありますが?
ボイラへの脱気水の供給は昔からある技術で、発電用ボイラ等で採用されています。しかし、この脱気方法は蒸気を使用して
給水を沸点近くまで加熱する方法の為、一般用ボイラでは熱損失が大きく、設備コスト的にも課題が多く普及しておりません。
近年になって、膜脱気と言う酸素透過膜を使用した脱気方法や、窒素脱気と言う窒素ガスを使用した
脱気方法が実用化されています。
脱気水はどの様な場合に有効ですか?
閉鎖系の防食が必要な水を使用するプロセスにおいて、無害性や無色無臭性等が必要な分野に、薬品を使用せずに
防食が可能となる技術です。
医薬・食品関係、ビルやホテル等の給湯系の配管やプロセスの防食管理に最適です。
窒素脱気とはどの様な方法ですか?
窒素脱気とは、空気中にある窒素の純度を高めた窒素ガスを使用して、水中の溶存酸素と置換して脱酸素水を得る方法です。
膜を使用しないので、水温の制限が無く、SS分等の不純物にも、後段のプロセスに影響の無が無ければそのまま処理が可能である為
適用範囲の広い脱気方法です。
窒素使用率とは?
窒素使用率とは、給水1m3の原水のDOを所定のDO値以下に低下させる為に必要な窒素量の事を言います。
単位は(NL/m3)を使用しています。この値に定格処理能力を掛ける事で1時間当たりの窒素消費量が判ります。
尚、窒素使用率は原水溶存酸素の量に応じて、変化しますので、これに対応した装置の場合には、水温に応じた窒素使用率に
なります。
ECODAKKIについて
4段脱気とは?
窒素ガスを使用して、溶存酸素0.5ppmの脱酸素水を得ようとすると、1段で処理の場合700NL/m3
程度の窒素使用率になります。
これは10t/hのボイラ能力の場合7Nm3/hと言う大量の窒素ガスが必要となるので、実用化が困難でした。
この為、最終段から排気された純度の低下した窒素ガスを再利用すると言う方法で、窒素ガスの消費量を200NL/m3程度
に抑えた2段脱気法や対向流式脱気法が実用化されました。
しかし、処理段数を更に増加させ4段とすると、凡そ50NL/m3で脱気処理が可能となり、ランニングコストの大幅ダウンが
可能となりました。
尚、4段以上の処理を行っても、窒素ガス減少効果が限定的になりますので、イニシャルコストとのバランスから
4段脱気が最も合理的です。
完全オンデマンド式とは?
一般用ボイラの場合には、負荷変動が発生するのが一般的です。
対向流式の脱気装置では、機構上一定流量の原水と窒素ガスを流し続ける必要があるので、部分負荷時には原水槽へ処理水を
戻すフロートなっています。
この場合には、窒素ガスが無駄に消費されて、1m3当たりの窒素ガス消費量が悪化します。
オンデマンド式とは、プロセスの要求量に合わせて処理水を作成しますので、窒素ガスの無駄がありません。
更にECODAKKIでは、調整槽を利用した低負荷時ON−OFF、中高負荷時比例制御の水位コントロールにより
ゼロ水量から正確な窒素の比例制御を行うので、無駄がありません。
更に、ガスは圧縮流体、水は非圧縮流体と言う特性上、単純な比例制御では、急激な負荷変動に対応できません。
ボイラのフィードフォワード制御で培った制御技術を応用し、ゼロ負荷から一期に最大負荷に上昇する負荷変動にも
出口の溶存酸素濃度を一定に保つ事ができます。
この方式が完全オンデマンド式です。
ドレン回収や熱回収は可能ですか?
ECODAKKIは、窒素式ですので、温度制限やSS分の制限無く使用可能ですので、ドレン回収や熱回収が可能で
省エネルギーに貢献できます。
更に、脱気された水を使用したボイラの蒸気は、腐食性が低くドレン回収管の腐食やスチームトラップの劣化が少ない事
が特徴です。
この為、安心してドレン回収が可能になると同時に、頻繁なスチームトラップ交換を行わなくても、無駄蒸気を抑制でき
ますので、総合効率が上昇します。
カスケード効果とは?
カスケード効果とはECODAKKIを開発する上で重要な要素技術の一つです。
小滝(カスケード)を参考に、滝壺に発生した水中気泡を、速い流速により接触管に引き込み、気液接触と気液分離を
効率的、且つ高速に実現する方法で、通常負荷条件では循環ポンプの運転のみで、気体の吸引と気液混合を実現します。
ポンプは、大容量(定格負荷の1.5倍以上)ですが、低揚程の為極めて省動力の為、4段脱気を行っても、電力費が
僅少で処理が可能です。
特許出願中。
蒸気凝縮効果とは?
蒸気凝縮効果とはECODAKKIを開発する上で重要なもうひとつの要素技術です。
蒸気が水に触れると、凝縮し水に戻りますが、この時蒸気中に窒素ガスを混合しておくと、水蒸気が
窒素を水にぶつける様に作用します。同時に水の凝縮熱により水中の溶存気体を気体に戻す作用を
持つ為、ガス交換を促進します。
この効果により、通常負荷ではカスケード効果により、高負荷時には蒸気凝縮効果を利用する事で
コンパクトで大容量の気液接触が実現できます。
特許出願中。
蒸気の利用はエネルギーコスト上昇になりませんか?
蒸気は、用途がボイラや給湯系である場合には、後段で熱回収が可能となる事と、
高負荷域でのみ使用するので、とても省エネルギーな技術です。
溶存酸素の監視は可能ですか?
ECODAKKIは、4段カスケードの特徴を活かした、長寿命でサンプル冷却の不要な溶存酸素濃度
連続監視を実現しました。(オプション)
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